悪魔の言葉
画家 ポール・ゴーギャン →Parau na te Varua ino (Words of the Devil) / ワシントン・ナショナル・ギャラリー
裸の女性の横に、暗い服の人物が座る。題名も意味も単純には決まらない、タヒチのイメージを組み替えた絵だ。
何が描かれているか
赤みのある地面に裸の女性が立ち、その近くに黄色い顔と暗い衣服の人物が座る。後ろには緑の草木が密に重なり、ところどころに花の色が浮かぶ。女性は身体を正面に近く見せ、腕を上げるような姿をとる。手前と奥の人物が何を話しているのかは示されず、明るい身体と暗い衣服の対比が先に目へ入ってくる。
作品の見どころ
赤と緑の強い対比を見たあと、人物の姿勢を確かめよう。肌には陰影があるが、身体を囲む輪郭と色の広い面も印象を決める。暗い人物は風景の中に溶け込み、前の女性とは異なる存在感を持つ。顔の表情だけで一つの物語を作るより、光の当たる身体と背景の影がどう配置されるかを見ると、画面の不思議さが分かる。
制作背景
1892年の作品で、ワシントン・ナショナル・ギャラリー所蔵。同館は、題名のタヒチ語の意味が明確ではないことや、女性の姿とヨーロッパのイヴの表現との関係を説明する。現地の信仰を正確に記録した絵と断定できない。画家が西洋の人物像とタヒチについての想像を結びつけた作品として、既存の《死霊が見ている》と比べてみたい。
出典・画像について
画像:ポール・ゴーギャン《悪魔の言葉》/National Gallery of Art, Washington
所蔵館のCC0条件を確認した図版。全景を保ちWebPへ比例縮小。
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