木の下を行き交う女性と熱帯の景色を、落ち着いた色で組み立てる。タヒチより前のマルティニーク滞在を示す作品だ。
何が描かれているか
木々の下に女性たちが集まり、かごを頭に載せる姿や、地面に腰を下ろす姿が見える。大きな葉や幹が人物の周囲を囲み、奥には海へ向かう明るい景色が広がる。題名のマルティニークはカリブ海の島で、タヒチとは別の場所である。画面には人の働く姿があるが、誰が何を話しているのかまでは示されていない。
作品の見どころ
茶色い幹、緑の葉、赤みのある地面を比べてみよう。人物は景色から孤立せず、木の曲線や枝の間に組み込まれている。細かな草木を追うより、画面を横切る大きな幹と女性の姿の関係を見ると、構図のまとまりが分かる。光を描く細かな筆触を残しながら、色と形を整理する方向も見えてくる。
制作背景
1887年のマルティニーク滞在に関わる作品で、ファン・ゴッホ美術館所蔵。同館の学術目録は、画家が人物の素描を使って画面を構成したことを説明する。目の前の出来事を一瞬で写した写真のようには読めない。当時フランスの植民地だった島をヨーロッパから来た画家がどう描いたかという視点も、人物と風景を理解する手掛かりになる。
出典・画像について
画像:ポール・ゴーギャン《マルティニークのマンゴーの木々》/Paul Gauguin / Wikimedia Commons(平面作品の複製)
Commons個別ファイルのPublic domain表示を確認した平面作品の複製。全景を保ちWebPへ比例縮小。国・地域によって扱いが異なります。
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