月と大地
画家 ポール・ゴーギャン →Hina Tefatou (The Moon and the Earth) / ニューヨーク近代美術館(MoMA)
大きな男性像と女性像を植物の中へ置いた、神話的な場面。自然の風景を使いながら、日常とは違う大きさと配置を作る。
何が描かれているか
縦長の画面に、背をこちらへ向ける女性と、大きな男性の姿が描かれる。二人の周囲には木や草が重なり、茶色い地面と暗い緑が奥へ続く。人物の身体は大きく、植物や地面との大きさの関係も普段の人物画とは違って見える。題名は月と大地を示し、同じ場所にいる普通の男女の肖像とは異なる主題を持つ。
作品の見どころ
二人の身体を囲む線を追ってみよう。細かな陰影より、大きな背中や腕の形が目を引く。植物も一本ずつ説明するより、暗い色の広がりとして人物を取り囲む。手前の女性と奥の男性の大きさを比べると、自然な遠近法だけでは説明しにくい配置に気付く。風景の中に、神話の存在を置くための形が作られている。
制作背景
1893年の油彩で、ニューヨーク近代美術館所蔵。ヒナとテファトゥという神話の存在を扱い、月と大地の名が題名にも付いている。同館の解説が指摘するように、ゴーギャンは西洋と非西洋のイメージを合わせて神話的な場面を作った。現地の信仰をそのまま写した資料としてではなく、画家が再構成した神話の絵として、《アレオイの種》などと比べたい。
出典・画像について
画像:ポール・ゴーギャン《月と大地》/Paul Gauguin / Wikimedia Commons(平面作品の複製)
Commons個別ファイルのPublic domain表示を確認した平面作品の複製。全景を保ちWebPへ比例縮小。国・地域によって扱いが異なります。
間違いを見つけたら、教えてください →アフィリエイトリンク|このリンクから購入されると、運営者に報酬が入ることがあります。
この画家について本で読む
もっと知りたいゴーガン
六人部 昭典 著 / 東京美術
ゴーギャンの生涯と作品をたどり、絵に込められた神話や宗教的な主題を解説する入門書です。リンク先は中古本の販売ページです。
楽天市場で見る →