道と木々、緑の斜面に、短い筆の跡と淡い光が広がる。色を大きな面にまとめる以前の風景画を見てみよう。
何が描かれているか
道が木々の間を通って奥へ続き、右側には草の斜面と柵が延びている。手前に立つ木は細い枝を空へ広げ、遠くには小さな建物の形が見える。題名のルーアンはフランスの都市で、この絵は街の外れの通りを扱う。大きな建物を中心に描く都市風景とは違い、道、木、草地が画面の広い部分を占める、静かな景色になっている。
作品の見どころ
道の奥行きを追うだけでなく、草や空に置かれた短い筆の跡を見よう。一色に塗りつぶさず、細かな色を重ねるため、緑の斜面にも明るさの変化がある。空へ延びる枝と、地面を横へ走る柵を比べると、縦と横の線が景色を区切ることが分かる。後年の強い輪郭線や平らな色面とは異なる描き方を確かめられる。
制作背景
1884年、ゴーギャンがルーアンで暮らした年の作品。ティッセン=ボルネミッサ美術館の解説は、印象派の描き方やピサロ、セザンヌとの関わりを指摘している。光の印象を細かな色で捉える段階を示す一枚で、1888年の《説教のあとの幻影》と並べると、現実の景色から単純な形と色面への変化をたどりやすい。
出典・画像について
画像:ポール・ゴーギャン《ルーアンの通り》/Paul Gauguin / Wikimedia Commons(平面作品の複製)
Commons個別ファイルのPublic domain表示を確認した平面作品の複製。全景を保ちWebPへ比例縮小。国・地域によって扱いが異なります。
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