1889年
40〜41歳頃

自画像(光輪と蛇)

画家 ポール・ゴーギャン →
Self-Portrait / ワシントン・ナショナル・ギャラリー
光輪、リンゴ、蛇を自分の顔の周りへ並べる。宗教的な象徴を取り込んだ自画像で、画家が作る自己像を考えたい。

何が描かれているか

赤い地の前にゴーギャンの大きな顔があり、頭上に黄色い光輪、右側にリンゴが描かれる。下には手と曲がる蛇の姿が入り、緑の細い形が顔の周囲を囲む。身体の全体や部屋を見せる肖像ではなく、顔と手、象徴的な物だけを近くへ集めた画面である。表情は笑顔ではなく、目と眉の強い形が目に残る。

作品の見どころ

光輪と蛇を一緒に見ると、聖なるものと誘惑を思わせるものが同じ自画像に置かれている。赤い背景は自然な場所を説明せず、顔の茶色や緑を強く浮かび上がらせる。自分を正確に写すだけでなく、どのような存在として見せるかを組み立てた絵として見よう。象徴を一つずつ固定した意味へ訳し切る必要はない。

制作背景

1889年、ブルターニュのル・プールデュに関わる作品で、現在はワシントン・ナショナル・ギャラリー所蔵。同館の解説も聖者と罪人という対比に触れる。光輪を持つから自分を本当の聖人と考えた、蛇があるから特定の罪を告白した、と実際の内面を確定することはできない。絵画の中で演じられる画家の姿を、通常の肖像と比べる手掛かりになる。

作品情報

材質・技法
油彩ゆさい・板
所蔵
ワシントン・ナショナル・ギャラリー
目録番号
1963.10.150

出典・画像について

出典:NGA 個別目録(2026-09-30 確認)
画像:ポール・ゴーギャン《自画像(光輪と蛇)》/National Gallery of Art, Washington
画像の出典 / CC0 1.0 / 画像の出典・条件(画像情報:2026-09-30 確認)
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