光輪、リンゴ、蛇を自分の顔の周りへ並べる。宗教的な象徴を取り込んだ自画像で、画家が作る自己像を考えたい。
何が描かれているか
赤い地の前にゴーギャンの大きな顔があり、頭上に黄色い光輪、右側にリンゴが描かれる。下には手と曲がる蛇の姿が入り、緑の細い形が顔の周囲を囲む。身体の全体や部屋を見せる肖像ではなく、顔と手、象徴的な物だけを近くへ集めた画面である。表情は笑顔ではなく、目と眉の強い形が目に残る。
作品の見どころ
光輪と蛇を一緒に見ると、聖なるものと誘惑を思わせるものが同じ自画像に置かれている。赤い背景は自然な場所を説明せず、顔の茶色や緑を強く浮かび上がらせる。自分を正確に写すだけでなく、どのような存在として見せるかを組み立てた絵として見よう。象徴を一つずつ固定した意味へ訳し切る必要はない。
制作背景
1889年、ブルターニュのル・プールデュに関わる作品で、現在はワシントン・ナショナル・ギャラリー所蔵。同館の解説も聖者と罪人という対比に触れる。光輪を持つから自分を本当の聖人と考えた、蛇があるから特定の罪を告白した、と実際の内面を確定することはできない。絵画の中で演じられる画家の姿を、通常の肖像と比べる手掛かりになる。
出典・画像について
画像:ポール・ゴーギャン《自画像(光輪と蛇)》/National Gallery of Art, Washington
所蔵館のCC0条件を確認した図版。全景を保ちWebPへ比例縮小。
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