何が描かれているか
前景には四人の若い女性が座るか立ち、奥には子どもを連れた人物、犬、青い像が小さく見える。
タヒチ語の題名は『おいしい水』ほどの意味を持つ。特定の出来事より、水辺の人物の動きが主題である。
作品の見どころ
中央の立つ身体を軸に、左右の人物が異なる向きを作る。曲がる腕と岸の線が繰り返される。
緑、赤、黄を大きく置き、空間を自然に再現するより、人物と植物の形を平らにつなげる。中央を下る金色の曲線で女性たちは左右に分かれ、身体の向きと視線の違いが静かな間を作る。人物の肌と橙色の地面、青緑の水や木々を見比べると、自然な陰影より色同士の対比が画面を支えている。
制作背景
1898年の作品。ゴーギャンは1895年に再びフランス領ポリネシアへ渡り、その後はヨーロッパへ戻らなかった。
現在はワシントン・ナショナル・ギャラリー所蔵。楽園の記録ではなく、植民地下の土地と人を画家が選択し構成した作品として見る。題名と年記は画面内にも記されるが、描かれた場面を現地の日常の完全な記録とは考えない。