装飾の多い室内に女性と眠る子どもを置く。題名は「夢」だが、夢の中身や人物の関係を簡単には説明できない。
何が描かれているか
二人の女性が室内に座り、手前には横たわる子どもがいる。壁には人物や動物を思わせる模様があり、奥の開口部から外の明るい景色が見える。前の女性は身体をこちらへ向け、後ろの女性は少し横へ向く。黄色い壁と緑の床、茶色い肌が重なり、部屋の奥行きと飾りの平らな形が同時に目へ入る。
作品の見どころ
子どもの小さな姿と、壁を占める大きな模様を比べてみよう。人物の間に明確な会話はなく、同じ部屋にいても視線が交わらない。開口部の向こうは明るいのに、室内の人物は静かで、夢のような距離を感じさせる。物語の答えを先に決めず、どこが奥へ抜け、どこが平らな面として見えるかをたどると構成の工夫が分かる。
制作背景
1897年の作品で、コートールド美術館所蔵。同館の解説は、場面の意味が分かりにくいように構成されていることを指摘する。実在の一家庭の日常を、そのまま説明する資料ではない。室内の装飾や人物の姿は、ヨーロッパの見る人へ向けたタヒチのイメージでもある。現地の住まいや習慣の確実な再現と決めつけず、画家が作る夢の場面として読みたい。
出典・画像について
画像:ポール・ゴーギャン《夢(テ・レリオア)》/Paul Gauguin / Wikimedia Commons(平面作品の複製)
Commons個別ファイルのPublic domain表示を確認した平面作品の複製。全景を保ちWebPへ比例縮小。国・地域によって扱いが異なります。
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