白という題名の馬が緑を帯び、水辺で首を下げる。見たままの色から離れた、静かな森の風景を確かめよう。
何が描かれているか
緑を帯びた白い馬が、水辺で首を下げている。手前には黒い木の幹や枝、足元には植物が重なり、奥には馬に乗る人々が小さく描かれる。空を広く見せる風景ではなく、木々と水が縦長の画面を満たす。明るい馬の身体が暗い幹に囲まれるため、遠い人物より先に目へ入り、森の中の中心になっている。
作品の見どころ
馬の色と周りの草木の色を比べてみよう。白い身体にも緑や黄が入り、光の当たり方を細かく追うより、画面全体の色の関係が強く働く。枝の曲線と馬の首の曲がり方も響き合う。自然の奥行きを再現するだけでなく、離れた形をまとめて静かな景色を作る描き方が、人物の少ない画面でも分かる。
制作背景
1898年の油彩で、オルセー美術館所蔵。同館は、目の前の場所を忠実に写した風景ではなく、画家が再構成した場面として説明している。題名の白と緑を帯びた馬の違いは、色を自然の再現だけに使わないことを示す。馬の意味を一つの象徴へ決めつけるより、木や水、奥の人々を含む画面の中で、なぜこの姿が強く見えるかを確かめたい。
出典・画像について
画像:ポール・ゴーギャン《白い馬》/Paul Gauguin / Wikimedia Commons(平面作品の複製)
Commons個別ファイルのPublic domain表示を確認した平面作品の複製。全景を保ちWebPへ比例縮小。国・地域によって扱いが異なります。
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