セザンヌの静物画の前の女性
画家 ポール・ゴーギャン →Woman in Front of a Still Life by Cezanne / シカゴ美術館
人物の背後に、ゴーギャンが持っていたセザンヌの静物が描かれる。二人の画家の形への関心を、一枚の肖像から考えたい。
何が描かれているか
桃色の上着を着た女性が椅子に座り、手を膝の上へ置いている。背後には果物や器の静物画が掛かり、女性の顔の横にも丸い果実の形が見える。人物は少し横へ向くが、全身は見せず、椅子と背景に近い位置へ収められる。誰を描いた肖像なのかは確定していないため、特定の女性の名前を決めつけずに見たい。
作品の見どころ
女性の顔、上着、果物がどのように大きな形へまとめられるかを見よう。服には陰影がある一方、強い輪郭と広い色の面も目立つ。背後の静物と人物の距離が浅く見えるため、二つの絵が一つの構成へ重なるような効果が生まれる。背景の絵も、この肖像の見え方に関わっている。
制作背景
1890年の作品で、シカゴ美術館所蔵。同館が確認する背景の絵は、セザンヌの《果物皿のある静物》。ゴーギャンはこの静物を所持していた。尊敬した画家の作品を自分の絵の中へ取り込んだ事実は確かだが、モデルの心理や画家の意図を細かく確定する証拠とは分けて考えたい。人物の輪郭と静物の配置を同時に見ると、画家同士の関係が具体的な形として見えてくる。
出典・画像について
画像:ポール・ゴーギャン《セザンヌの静物画の前の女性》/Art Institute of Chicago / Wikimedia Commons
所蔵館のCC0条件を確認した図版。全景を保ちWebPへ比例縮小。
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