1420年頃
年齢不詳

玉座の聖母子せいぼし

画家 ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノ →
Madonna and Child Enthroned / ナショナル・ギャラリー・オブ・アート(ワシントン)
金地の前で、聖母と幼子おさなごの身振りが目を引く。

何が描かれているか

聖母は花模様の布を掛けた長椅子に座り、青い衣の幼子を抱く。背景は金色だが、足元には模様のある床が描かれ、座る場所を感じられる。聖母の赤い衣から金色の袖そでが伸び、幼子の青い服と向き合う。母子は互いに顔を向け、広い布が長椅子から床へ流れ落ちる。

作品の見どころ

幼子の片手は聖母の襟の「MATER」(母)という文字を指す。もう一方の手には蝶をつなぐ糸があり、所蔵館は蝶をキリストの復活の象徴と説明する。金地に刻まれた四人の天使は薄く、近づいて探すと分かる。襟の文字だけでなく、衣の裾にも祈りの言葉が記される。蝶の糸は小さく、人物だけを見ていると見落としやすい。金地の四人の天使も描き込むのでなく線で刻まれており、光の当たり方によって見え方が変わる。

制作背景

ワシントンのナショナル・ギャラリー・オブ・アートは1420年頃とする。金地の装飾を保ちながら、布が床に広がる様子や親子の身振りを細かく描いている。同館はフィレンツェで描かれた作品と説明する。細かい模様や金を多く使う一方、幼子の体つきと母の支える手には重さが感じられる。装飾と、人が実際に座っているような表現を一枚の中で見比べられる。

作品情報

材質・技法
ポプラ板にテンペラ
所蔵
ナショナル・ギャラリー・オブ・アート(1939.1.255)
位置づけ
金地の装飾と人物の身振りを細かく組み合わせた聖母子像。

出典・画像について

画像:Gentile da Fabriano《玉座の聖母子》/玉座の聖母子 — Gentile da Fabriano / National Gallery of Art
画像の出典 / NGA Open Access(画像情報:2026-09-25 確認)
所蔵館が画像をパブリックドメインとして提供しています。 画像外周の余白だけ透過し、作品と額縁はそのままです。
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