大きな祭壇画から分かれた下段の一枚に、神殿と街路を描いた。
何が描かれているか
横長の画面中央に神殿の内部が開き、幼子をめぐって聖母と人々が向き合う。左右の街路にも人物がいて、場面を外へ広げる。中心では幼子を抱く老人の前に聖母がひざまずき、左右には別の人物が立つ。建物の外にも街路が伸び、右端では座る人と身をかがめる人が見える。物語の中心と日常の往来を、横長の一枚に収めている。
作品の見どころ
中央の建物を挟んで左右に街並みが続く。横に視線を動かすと、祭壇画の下段に置かれた小さな一枚の中にも、奥行きの異なる場所が組み合わされている。神殿の柱の間から中心の人物を見た後、左右の壁や窓をたどると、画面の外にも街が続くように感じられる。細い柱や床の線は奥へ向かい、金色の額縁はその広がりを囲む。小画面でも描く範囲は広い。
制作背景
1423年の《東方三博士の礼拝》の下段にあった板絵。元の祭壇画はウフィツィ美術館に残るが、この板絵は現在ルーヴル美術館にあり、元の位置には複製が置かれている。ルーヴルの作品番号はINV 295。所蔵館は、1812年にルーヴルへ運ばれたと記す。現在はパリにあるため、フィレンツェの主画面と実物を同時には見られない。祭壇画の下段とは、主画面の下で物語を補う横長の部分をいう。
作品情報
材質・技法
ポプラ板に油彩(ルーヴル美術館の記録)
位置づけ
《東方三博士の礼拝》の下段にあったキリスト幼年期の場面。
出典・画像について
画像:Gentile da Fabriano《神殿奉献》/Gentile da Fabriano, Presentation of Christ in the Temple, Musée du Louvre. Reproduction: Web Gallery of Art, via Wikimedia Commons.
Web Gallery of Art由来のCommons PD-Art画像です。忠実複製の扱いは国・地域で異なる場合があります。
間違いを見つけたら、教えてください →