1425年
年齢不詳

聖ニコラウスの墓で癒やされる人々

画家 ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノ →
The Crippled and Sick Cured at the Tomb of Saint Nicholas / ナショナル・ギャラリー・オブ・アート(ワシントン)
聖人の墓へ集まる人々を、教会の奥行きの中に描いた。

何が描かれているか

教会の奥に聖ニコラウスの墓が置かれ、その周りに人々が集まる。杖を持つ人、支え合って歩く人、墓へ手を伸ばす人が、手前から奥へ続く。墓は四本の柱で支えられ、人々はその下にも入り込む。右には脚の傷を見せて杖を使う人、手前には肩を組んで歩く三人がいる。一つの奇跡だけを切り出すのではなく、癒やしを求める人と帰る人が同じ空間にいる。

作品の見どころ

床の階段と左右の柱をたどると、目は奥の墓へ進む。人物は一列に並ばず、墓へ近づく人と離れる人が交差するため、奇跡を求めて集まる場の動きが生まれる。奥の半円形の壁には宗教画があり、さらに手前には何列もの柱が並ぶ。墓へ上がる階段と建物の奥行きが、離れた人物を一つの場面に結び付ける。小さな人物を探しながら、誰が墓へ向かい誰が離れているかたどれる。

制作背景

1425年のクアラテージ祭壇画さいだんがの下段に属する一枚である。祭壇画は後に分かれ、現在はこの板絵だけで元の全体を眺めることはできない。描かれた部分は約35センチ四方と小さい。ワシントンの所蔵館は、かつてフィレンツェのサン・ニッコロ・オルトラルノ聖堂の主祭壇に置かれたとする。元の祭壇画の中央と側面を合わせて考えると、この小画面の役割が分かる。

作品情報

材質・技法
板にテンペラ
所蔵
ナショナル・ギャラリー・オブ・アート(1939.1.268)
位置づけ
クアラテージ祭壇画の下段に置かれた聖人の奇跡の場面。

出典・画像について

画像:Gentile da Fabriano《聖ニコラウスの墓で癒やされる人々》/聖ニコラウスの墓で癒やされる人々 — Gentile da Fabriano / National Gallery of Art
画像の出典 / NGA Open Access(画像情報:2026-09-25 確認)
所蔵館が画像をパブリックドメインとして提供しています。
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