1818年
27歳頃

夕暮れ―水道橋のある風景

画家 テオドール・ジェリコー →
Evening: Landscape with an Aqueduct / メトロポリタン美術館
荒れた空と古い水道橋を組み合わせた、夕暮れの大きな風景画。

何が描かれているか

手前に壊れた建物と人影があり、その先に水道橋と山が続く。空には大きな雲が広がるが、切れ間から暖かい光が差し込む。題名は一日の「夕暮れ」を示す。これは一つの場所をそのまま写した風景ではなく、イタリアで見た遺跡の記憶などを組み合わせた画面である。建物の小さな人々と広い空を比べると、自然の大きさが強く感じられる。

作品の見どころ

暗い雲は上から覆いかぶさるように広がり、光を受ける山や橋との明暗差を作る。水道橋の横長の線は遠景をつなぎ、手前の垂直な遺構が奥行きを強める。嵐が来るのか過ぎたのかは絵だけでは分からない。その曖昧さが、穏やかな夕景とは違う気配を生む。人物を探してから風景全体を眺めると、視点の大きさが変わる。

制作背景

メトロポリタン美術館によれば、一日の四つの時間を表す連作れんさくのために構想され、完成したのは三点だった。ジェリコーは1816~1817年にイタリアを訪れたが、この絵はパリのアトリエで描いた。所蔵館は、プッサンやヴェルネの風景画の伝統と、新しいロマン主義的な感覚の結びつきを指摘する。馬や人物だけに限られない制作の幅を示す。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
メトロポリタン美術館(1989.183)

出典・画像について

出典:メトロポリタン美術館 作品記録(2026-09-26 確認)
画像:Théodore Géricault《夕暮れ―水道橋のある風景》/The Metropolitan Museum of Art Open Access
画像の出典 / CC0 1.0(画像情報:2026-09-26 確認)
提供元のCC0 / Open Access 表示に基づき掲載。
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この画家について本で読む

ジェリコー
中原たか穂 著 / KADOKAWA
画家ジェリコーと《メデューズ号の筏》の制作を描いた漫画。史実を確認する際は所蔵館の資料も参照できます。
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