横座りで馬に乗る女性を、動きのある一人像として描く。
何が描かれているか
黒い帽子と上着の女性が、馬の背で横座りになっている。馬は前脚を運び、人物は手綱を持って体の向きを保つ。名前の分からない騎手を、堂々とした姿と身近な動作の両方で示す絵である。背景は広い空と低い地面に抑えられ、目はまず馬と人の関係へ向かう。馬が画面の外へ進んでいくように感じられる。
作品の見どころ
馬の白い部分と女性の暗い服が強く対比する。横座りの姿勢に注目すると、騎手はただ乗せられているのではなく、重心を保ちながら動きに合わせている。空の雲、馬の脚、衣服の線にも違う速さがある。ジェリコーは軍馬を何度も描いたが、この絵では戦場を離れ、人物と馬が共有する一瞬を見せる。細かな背景説明がなくても動きが伝わる。
制作背景
メトロポリタン美術館は制作年を「1820年以降」とし、女性の身元を特定していない。題名を根拠に実在の有名な騎手の肖像とすることはできない。画家が英国に滞在する時期の馬への関心と結び付けて考えられるが、いつどこで誰を描いたかは慎重に扱う。所蔵番号は2019.141.11で、馬と人物の観察そのものを楽しめる作品である。
作品情報
所蔵
メトロポリタン美術館(2019.141.11)
出典・画像について
画像:Théodore Géricault《馬に乗る女性》/The Metropolitan Museum of Art Open Access
提供元のCC0 / Open Access 表示に基づき掲載。
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この画家について本で読む
ジェリコー
中原たか穂 著 / KADOKAWA
画家ジェリコーと《メデューズ号の筏》の制作を描いた漫画。史実を確認する際は所蔵館の資料も参照できます。
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