東方三博士の礼拝(インノチェンティ)
画家 ドメニコ・ギルランダイオ →Adoration of the Magi / インノチェンティ美術館(フィレンツェ)
華やかな礼拝の手前に二人の子供を置き、施設が守る命へも視線を導きます。
何が描かれているか
中央の聖母マリアが幼いキリストを抱き、東方から来た三博士が贈り物を捧げています。上方では四人の天使が歌う巻物を広げ、左右には豪華な衣装の人々が集まります。手前の二人の子供は、幼児虐殺で犠牲になった幼い殉教者です。その背後に洗礼者ヨハネと福音書記者ヨハネがひざまずき、子供たちを聖母子へ取り次ぐように配置されています。
作品の見どころ
三博士の鮮やかな赤い衣から、中央の幼児、手前の子供たちへ目を移してください。装飾の細かい柱や上方の天使、遠景の町まで丁寧に描かれています。左奥の幼児虐殺の場面と、手前の殉教した子供を見比べると、一つの画面が複数の出来事を結び付けていることが分かります。建物の開口部を通して遠くを見る構成も、奥行きを作っています。
制作背景
1488〜1489年に、フィレンツェの子供を保護するインノチェンティのために制作されました。美術館は、画中に依頼を代表する院長フランチェスコ・テゾーリと画家自身が描かれると説明しています。聖人と子供を加えた構成には、この施設の役割が重なります。肖像描写と物語の組み立てが、祭壇画で結び付く作品です。
作品情報
位置づけ
子供を保護する施設の役割と、聖母子を礼拝する場面を結び付けた祭壇画。
出典・画像について
画像:Domenico Ghirlandaio《東方三博士の礼拝(インノチェンティ)》/Domenico Ghirlandaio / Wikimedia Commons — Public Domain Mark 1.0 (PD-Art)
CommonsのPublic Domain表示に基づく忠実複製です。所蔵館の文化財画像規程や複製画像の扱いには国・地域差があり、所蔵館の許諾を取得したとは扱っていません。
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この画家について本で読む
イタリア・ルネサンス美術館
松浦 弘明 著 / 東京堂出版
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