何が描かれているか
画面中央で聖フランチェスコと仲間が教皇の前にひざまずく。左右に人々が立ち、奥には広場と大きな建物が続く。
室内だけに閉じた場面ではなく、都市の景色が儀式の後ろへ開く。見る人は前景の人物から建築を通り、さらに奥の小さな人影まで視線を運べる。
作品の見どころ
中央の儀式に目が集まる一方、左右の同時代風の服装も見逃せない。異なる時代の要素を同じ場に置き、礼拝者が物語を身近に感じられる。
アーチ状の外形は礼拝堂の壁面に合わせたもの。別の場所に飾る額縁の絵とは違い、建築に組み込まれたフレスコとして見たい。
制作背景
本作はフィレンツェのサンタ・トリニタ聖堂サセッティ礼拝堂にある聖フランチェスコ伝の一場面。ウフィツィ美術館の解説は、連作を1483〜1486年とする。
物語の教皇や聖人と、画家と同時代の人物を一対一で同定することは、確かな根拠なしにここでは行わない。作品が別の時代を結ぶ構図に注目する。 画面が礼拝堂の壁に合わせて描かれたことは、輪郭の形や周囲の装飾からも確かめられる。