1491年
42歳頃

聖母の訪問

画家 ドメニコ・ギルランダイオ
The Visitation / ルーヴル美術館
二人の抱擁を建築の中心へ置き、私的な喜びを記念碑的な場面にした。

何が描かれているか

身ごもった聖母マリアと年上のエリサベトが中央で抱き合い、互いの肩と腕へ手を回す。左右には若い女性たちが立ち、静かな出会いを目撃する。
背後には古代風の柱とアーチがあり、その間から城壁の町、道、山が見える。鮮やかな赤、青、橙の衣を建築の垂直線へ重ね、中央の抱擁を大きく見せる。

作品の見どころ

二人の身体を一つの山形にまとめ、顔を画面中心で近づける。周囲の女性が横向きに立つため、中央の曲線と触れ合う手がはっきりし、私的な喜びが記念碑のように見える。
遠景へ抜けるアーチは開放感をつくる一方、前景の人物を石の枠で囲む。肖像画で磨いた横顔と衣装の表現を、宗教物語の複数人物へ広げた画面である。

制作背景

ルーヴル美術館が所蔵する晩年の板絵で、1491年の制作として知られる。聖母の訪問は、マリアが親族エリサベトを訪ね、互いの妊娠を喜ぶ聖書の場面である。
ギルランダイオはトルナブオーニ礼拝堂にも同主題を描いた。本作と壁画は人物配置や注文目的が異なるため、一方をもう一方の単純な縮小版とは見なさない。

作品情報

材質・技法
テンペラ、板
所蔵
ルーヴル美術館
位置づけ
二人の妊婦の出会いを中央の抱擁へ絞り、古代風建築と遠景で記念碑的に組み立てた。

出典・画像について

画像:Domenico Ghirlandaio聖母の訪問》/聖母の訪問 — Domenico Ghirlandaio / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-09-22 確認)
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この画家について本で読む

イタリア・ルネサンス美術館
松浦 弘明 著 / 東京堂出版
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