今は黒く見える上着が、もとは紫だった。顔料の調査で見え方の変化が分かりました。
何が描かれているか
長い髪の男性が、肩を少し斜めにしながらこちらへ目を向けています。表情は険しいとも穏やかとも決めにくく、口は閉じたままです。暗い服と緑の背景が、明るい顔をいっそう近くへ引き寄せています。
作品の見どころ
鼻や頬には光が当たり、目の周りは柔らかな影へ沈んでいます。派手な持ち物や大きな身振りを描かず、顔と視線だけで人物の存在を伝えています。誰なのかを当てるより、視線が合ったときに受ける印象の変化を確かめてみたくなる肖像です。
制作背景
サンディエゴ美術館は1506年の作品としています。館の技術調査では、上着に使われた青と赤の顔料が時間とともに暗くなり、もとは華やかな紫色だったことが分かりました。現在の落ち着いた色合いが、制作時そのままの配色とは限らないことを教えてくれます。
出典・画像について
画像:Giorgione《男性の肖像》/男性の肖像 — Giorgione / Daderot / CC0
額縁を含む写真全体を掲載。写真:Daderot / CC0。取得した配布画像の全体を比例縮小。色補正・作品内容の切り取りなし。
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