遠くの空に走る稲妻。人物の物語が定まらなくても、嵐が近づく気配は伝わってきます。
何が描かれているか
左に杖のような棒を持つ若者、右に乳児へ乳を与える女性がいます。二人の間を水辺と草木が隔て、奥には橋と町。その上の暗い空を、一本の稲妻が裂いています。人物同士が何をしているのかより、周囲の空気が先に気になる絵です。
作品の見どころ
若者の赤や女性の白い布は目印になりますが、二人を包む緑と灰色の変化が絵全体をつないでいます。風景は、人物の後ろを埋めるだけの場所ではありません。嵐の前の光や湿り気まで想像させる、もう一つの主役になっています。
制作背景
1530年のミキエルの記録には、すでに嵐のある小さな風景として登場します。主題には多くの説があり、館は依頼主と考えられるヴェンドラミン家の由来に結びつける説も紹介しています。年代にも1503〜1509年頃までの幅があります。人物の名前を一つに決めず、描かれたものから見始めたい作品です。
出典・画像について
画像:Giorgione《嵐》/嵐 — Giorgione / Wikimedia Commons / Public Domain Mark 1.0
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