何が描かれているか
雨の中を、人々が橋を渡っています。細い斜線が空と川を貫き、傘を差す人や身をかがめる人が小さく描かれています。中央の風景を、赤や緑の帯と日本の文字が囲んでいます。
歌川広重の浮世絵をもとに、ゴッホが油絵として写した作品です。日本の橋を現地で見て描いたのではありません。パリで出会った版画から、絵の組み立て方を学んでいます。
作品の見どころ
橋の斜めの線と雨の線は、別の方向へ走っています。川岸は濃い青緑、手前の帯は強い赤で、奥行きのある風景と平らな枠が一つの画面に重なって見えます。
所蔵館によると、原版画より色を強めています。細い線で場面を描く版画を、筆と絵の具でどう置き換えたか、雨、人物、川岸の三つを順に比べてみましょう。
制作背景
制作は1887年10〜11月のパリです。決まった寸法のカンヴァスに原版画の縦横比を保って写したため、周囲に余白が生まれました。そこへ別の版画から写した日本の文字を加えています。
周囲の文字は、この橋の説明をそのまま写したものではありません。中央の風景に加えた枠と色を見ると、写すことを通じて、自分の絵へ作り替えていく工夫が分かります。