何が描かれているか
深い青空の下に、石造りの教会が立っています。手前の道は左右に分かれ、その間に建物を挟んでいます。左の道には小さな人影があり、草には明るい緑と黄色が混ざっています。
屋根や壁の線は、まっすぐな定規の線になっていません。窓も波打つように傾き、青い部分が空の色と響き合います。動かない建物なのに、地面から揺れが伝わるように見えます。
作品の見どころ
空を暗い青でまとめる一方、手前の道と草は明るく描いています。暗い空が夜を示すとは限りません。色を時間の手がかりだけにせず、建物を引き立てる働きとしても見てみましょう。
二本の道を目で進むと、教会の両側へ視線が分かれます。窓、屋根、道の曲線を順に追うことで、建物を正確に測る図とは違う、線や色の動きが感じられます。
制作背景
ゴッホが南フランスからパリ近郊のオーヴェルへ移った後の作品です。所蔵館の目録は1890年6月4〜8日の制作としています。13世紀に建てられた教会を描きました。
初期の《ニューネンの古い教会の塔》と比べると、建築を描く色と線が大きく変わっています。現実の教会を手がかりにしながら、画面の中で形や色を組み直す晩年の工夫を見てみましょう。