何が描かれているか
帽子をかぶった男性が、片手で頬を支えています。青い服と背景の中で顔と手が明るく浮かび、赤いテーブルには花が置かれています。こちらへ向く顔に対し、身体は斜めに傾いています。
モデルは、オーヴェルでゴッホを支えたポール・ガシェ医師です。医師は版画も制作し、多くの画家と交流していました。仕事をする姿ではなく、座って静かに過ごす姿で描かれています。
作品の見どころ
背景の青、上着の青、帽子の白っぽい色が近くに並び、赤いテーブルがその下を区切ります。顔の細い線と傾いた腕から、落ち着かなさや疲れを感じるかもしれません。
花の茎が、医師の前で細く立っています。所蔵館はこの花をジギタリスと説明しています。植物を手がかりに職業へ思いを向けながら、顔、手、花の位置関係も見てみましょう。
制作背景
制作は1890年です。弟テオの助言で、ゴッホはサン=レミを出た後にガシェを訪ねました。所蔵館は、寒い色と憂いのある姿勢が強調された肖像として解説しています。
ここで紹介するのは、1949年に医師の子どもたちから寄贈されたオルセー美術館の作品です。同じ医師の別の肖像と取り違えないようにしています。表情から病状を決めず、描き方を見てみましょう。