何が描かれているか
黄色い床の中央に、緑のビリヤード台があります。赤い壁ぎわには客が離れて座り、明るい服の男性が立っています。天井から下がる四つのランプは、光の輪を広げています。
描かれたのは、アルルの夜通し営業するカフェの室内です。既存の《夜のカフェテラス》の屋外席とは別の絵です。時計や散らばる椅子から、夜が更けた店内の様子が伝わります。
作品の見どころ
床の線が奥へ急に集まり、手前の空いた場所が広く感じられます。客を中央へ集めず、壁に沿って散らすことで、明るい照明の下でも人と人との距離が目に入ります。
赤い壁と緑の台、黄色い床が強くぶつかっています。輪郭だけで場所を確かめるより、どの色が隣り合うと落ち着かなく感じるか、自分の目で試してみましょう。
制作背景
1888年9月8日の弟への手紙で、ゴッホは三晩をかけて描き、昼に眠ったと記しています。赤と緑で人間の激しい感情を表そうとした、と色を選んだ意図も説明しました。
見たままの色を再現することより、見る人へ感情を伝える色を求めた一枚です。手紙は制作の意図を知る手がかりですが、画家の気持ちと客一人一人の心理を同じものと決める必要はありません。