1826年頃
80歳前後

まだ学ぶぞ(アウン・アプレンド)

画家 フランシスコ・デ・ゴヤ →
Aun aprendo / プラド美術館
紙の灰色と、黒い線、白く見えるひげの対比に注目したい。

何が描かれているか

長い白いひげの老人が、二本の杖を支えに立つ。大きな衣をまとい、顔を少し横へ向けている。右上に「Aun aprendo」と54の文字があり、言葉と人物を一緒に読む素描そびょうである。
題名は「まだ学ぶ」という意味で、日本語では「まだ学ぶぞ」などと訳される。老人の弱った身体と、学び続けることを示す言葉が並ぶ。衰えだけでなく、続ける姿を考えさせる。

作品の見どころ

紙の灰色と、黒い線、白く見えるひげの対比に注目したい。線は身体の形を探るように重なり、油彩ゆさいの色面や版画はんがの刷りとは違う、直接紙に描く仕事の感触が伝わる。
掲載画像には紙の縁と、下の方の傷みも残っている。傷みを人物の姿や作者が描いた模様として説明しない。保存状態を含む一枚の紙として、見える線を確かめたい。

制作背景

プラド美術館は1826年頃、黒鉛筆と石版用鉛筆による素描と記載する。石版用の鉛筆を使っていても、この一枚は石版画の刷りではない。ゴヤ財団は制作年を1824〜1828年頃と広く捉える。
老人はゴヤの象徴的な自画像として読まれてきたが、実際の顔を写した肖像だとは確定しない。晩年の《スペインの娯楽》とともに、歳を重ねた画家の試行と、後世の解釈を分けて見る手がかりになる。

作品情報

材質・技法
黒鉛筆・石版用鉛筆、灰色の簀の目紙
所蔵
プラド美術館
位置づけ
晩年の素描、Gアルバム第54図。

出典・画像について

画像:Francisco de Goya《まだ学ぶぞ(アウン・アプレンド)》/Wikimedia Commons
画像の出典 / Commons Public domain(個別PD-Art/PD-old表示)(画像情報:2026-10-04 確認)
Commons個別PD-Art/PD-old表示に基づく忠実複製。PDMはCC0ではなく許諾でもない。原画像全体と色を保持。法域差を留保。
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