1777年
30〜31歳

日傘

画家 フランシスコ・デ・ゴヤ
El quitasol / プラド美術館(マドリード)
若い女性が地面に座り、背後の男性が開いた日傘を頭上へかしけている。明るい服、青空、木の枝がつくる軽やかな画面は、後の戦争画との違いがひと目で分かる。これは独立した室内画としてではなく、タピスリーの図柄に使うカルトンとして作られた。

何が描かれているか

女性は黄色いスカートと青い上着を着け、膝の上に扇を置く。男性の緑の日傘は女性の顔へ向けて傾き、二人の背後には低い壁と木がある。
右上の風を受けた枝、左の濃い雲、明るい衣服が、静かな姿勢の中にも動きを作る。

作品の見どころ

ロココと呼ばれる明るく優美な傾向を、色と余暇の場面からつかみやすい作品である。
ただし、単に軽い娯楽画と片づけず、遠くから織物として見たときにも人物が読み取れるよう、色の面と輪郭りんかくが大きく整理されている点を見たい。黄色、青、緑の大きな色面を先に追い、その後で扇、日傘、揺れる枝を見ると、遠くからでも読める構成と細かな動きを分けて味わえる。織物になる前提が、輪郭の明快さにも表れている。

制作背景

カンヴァスに油彩ゆさい、104×152センチで、プラド美術館が目録番号P000773として所蔵する。完成するタピスリーは、アストゥリアス公夫妻の食堂へ掛ける予定だった。
美術館の壁に飾る一枚としてだけでなく、宮殿の室内を構成する織物の準備作品だったことが、画面の明快さにつながっている。

作品情報

寸法
104 × 152 cm
材質・技法
カンヴァスに油彩
所蔵
プラド美術館
目録
P000773
用途
タピスリー用カルトン

出典・画像について

出典:プラド美術館 作品ページ2026-09-08 確認)
画像:Francisco de Goya日傘》/Francisco de Goya, Museo Nacional del Prado, The Yorck Project, via Wikimedia Commons.
画像の出典 / Public domain / The Yorck Project(画像情報:2026-09-08 確認)
作品と忠実複製のパブリックドメイン表示を確認しています。
間違いを見つけたら、教えてください →