何が描かれているか
男たちは頭や身体を布で覆い、雪のある道を進む。右側には荷を載せた動物、手前には小さな犬が見える。灰色の空と曲がった木の枝が、冷たい風の強さを感じさせる。
顔を覆った人々の姿勢に注目すると、風を受けながら前へ進む難しさが伝わる。晴れた空の下でくつろぐ《日傘》とは、同じ日常の主題でも、身体の動きと周囲の空気が大きく変わっている。
作品の見どころ
白い雪だけで冬を示すのでなく、傾いた枝、縮めた肩、横へなびく布を組み合わせている。暗い衣と地面に囲まれた白さは、明るい祝祭の色とは違う、重い調子をつくる。
ゴヤ財団は、この時期のタペストリー用原画に、農民や貧しい人々、労働する人々への関心を読み取っている。ただし、描かれた人の身元や出来事の細部まで、画像だけで確定できるわけではない。
制作背景
王太子夫妻のために、エル・パルド宮殿の食堂を飾るタペストリーの原画として制作された。掲載年はプラドの1786年を採り、ゴヤ財団が1786〜1787年と幅を持たせることも記録している。
後年の失聴や戦争以前にも、ゴヤは厳しい生活を描いていた。この作品は、幸福な初期から苦悩する晩年へ一方向に変わった、という単純な見方を確かめ直す手がかりになる。