何が描かれているか
若い演奏者がリュートを抱え、こちらを向いている。リュートは弦を指ではじいて音を出す楽器で、丸みのある胴が画面の下に大きく見える。そばには杯や果物もあり、音楽と飲食を楽しむ場を思わせる。少年の名は分かっていない。メトロポリタン美術館は、特定の人物の記念肖像ではなく、当時好まれた音楽家の人物像と説明する。
作品の見どころ
顔、手、楽器の曲線を順に追うと、演奏を始める直前のような親しみやすさが伝わる。黒っぽい背景が顔と手を明るく見せ、楽器の木の色に目を誘う。杯を逆さに見せる身振りにも、宴の終わりや冗談を思わせる遊びがある。音は絵から聞こえないが、手の位置や人の目線を見ることで、絵の外にいる相手とのやりとりが想像できる。
制作背景
所蔵館は制作を1625年頃とする。ハルスは笑う人、飲む人、楽器を持つ人など、日常的な行為を一人の姿に凝縮した絵を描いた。個人の名前を記録する肖像とは違い、見る人は表情から場面を考える。この作品でも楽器だけでなく、少年がこちらに何を伝えようとしているかが鑑賞の中心になる。
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この画家について本で読む
レンブラントとフェルメール オランダ絵画「光と影」の巨匠たち
岡部昌幸 著 / KADOKAWA
17世紀オランダ絵画を扱う本。第3部にフランス・ハルスの章があり、同時代の画家とあわせて知ることができます。
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