1624年
40代前半頃

笑う騎士

画家 フランス・ハルス →
The Laughing Cavalier / ウォレス・コレクション
通称とは少し違う、微笑みをたたえた若者の肖像。

何が描かれているか

黒い大きな帽子、白い襟、色とりどりの刺繍を施した衣を身につけた若者が、腰に手を当てて立つ。表情には小さな笑みがあるが、大声で笑ってはいない。題名の《笑う騎士》は後世に広まった通称で、本人が騎士だったと示す記録もない。ウォレス・コレクションは画中の年記を1624年、年齢を26歳と読む一方、描かれた人物の名前は不明としている。

作品の見どころ

衣装の刺繍を眺めると、赤、金、白の模様が黒地に細かく重なっている。袖そでから肩、帽子へと広がる華やかさが、顔をいっそう引き立てる。少し下から見上げる構図こうずと、こちらへ向けた自信のある視線も印象的だ。名前を知らない人物なのに、今にも話しかけてきそうな存在感がある。衣服の細部と表情の軽やかさを行き来して見たい。

制作背景

この肖像は19世紀後半に《笑う騎士》という名前で広く知られるようになった。題名だけから人物の職業や気持ちを決めると、絵の本来の情報を見落としてしまう。ハルスは富裕な依頼者の姿を描く際も、決まりきった姿勢にせず、一瞬の表情を残した。所蔵館の記録にある年齢と、豪華な服装を手がかりに当時の肖像の役割を考えられる。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
ウォレス・コレクション(P84)

出典・画像について

出典:ウォレス・コレクション 作品記録(2026-09-26 確認)
画像:Frans Hals《笑う騎士》/Wikimedia Commons / Public Domain Mark
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-09-26 確認)
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