何が描かれているか
食卓を囲むのは、ハールレムの聖ゲオルギウス市民隊の士官たちである。市民隊は町の防衛や秩序を担った市民の組織だった。中央では杯を持つ人物がこちらへ向き、周囲の隊士も互いに顔を向けたり話したりする。白と赤の飾り帯、立派な衣服、大きな旗は、彼らの役割と誇りを伝える。単なる宴会の記録ではなく、任期を終えた隊士たちの記念肖像である。
作品の見どころ
人物を一列に並べず、席の向きや身振りに変化を付けている。杯を掲げる手、隣へ振り返る顔、見る人へ向けた視線が重なり、今まさに会話が続いているように見える。暗い室内の中で白い襟と赤い飾り帯が目を引き、端から端へ視線を運ぶ。集団肖像なのに一人ひとりの存在感が薄れず、皆で過ごす時間も感じられるところが面白い。
制作背景
所蔵するフランス・ハルス美術館は1616年の作品とし、描かれた士官たちは在任の終わりに集まったと説明する。ハルスはハールレムで活動し、この絵によって大きな集団肖像を描く力を示した。後年にも同じ市民隊を描くが、そのたびに人物の配置や視線のつながりを変えている。初期のこの作品では、祝いの活気が画面全体を満たす。