何が描かれているか
女性が顔を上げて笑い、大きな杯を手にする。肩にはフクロウがとまり、暗い背景の中で二つの顔が目立つ。ベルリン国立美術館は画面の裏にある名から、彼女をバルバラ・クラースと関連づける。「マレ・バッベ」は歴史的な呼び名で、人物を貶める意味で繰り返すべき言葉ではない。彼女の人生の細部を、表情だけから想像して決めつけることもできない。
作品の見どころ
顔を構成する筆の動きは力強く、口や頬が動いているように感じられる。杯の光とフクロウの目は、笑顔とは別の緊張を画面に加える。ふわりと見える衣や頭巾は、細密に描き込むより、色の重なりで形づくられる。笑いをただの見世物とせず、一人の人物が画面を占める力を感じたい。
制作背景
所蔵館の現行記録は制作を1640~1646年頃とし、古い資料で見られる1633~1635年頃という年代より幅広く示す。フクロウは昔から飲酒にまつわることわざと結び付けて解釈されてきたが、意味を一つに定めるのは難しい。作品を見る際は、後から付いた通称や象徴の解釈と、確かに見える人物の姿を分けて考えたい。