何が描かれているか
大きな帽子と光沢のある上着を着た若者が、煙管を口にくわえて振り返る。背後にはもう一人が顔を寄せ、楽しげな場の気配をつくる。メトロポリタン美術館はこの作品を、特定の人物の肖像というより、当時人気のあった陽気な人物像として紹介する。画面は普通の長方形ではなく、角を落とした八角形の板で、人物が窓から身を乗り出すように見える。
作品の見どころ
まず煙管の細い線を追い、次に若者の頬や目元へ視線を移したい。笑みは大きく誇張されず、振り返る動作と重なって表情が生きる。羽根や衣の光、白い襟が暗い背景に映える。後ろの人物を見つけると、目の前の若者が一人でポーズを取っているのではなく、賑やかな場の中にいることが分かる。
制作背景
所蔵館は制作を1623~1625年頃とする。17世紀オランダでは喫煙や飲酒をする人物を描く絵が親しまれ、道徳的な読み方が加えられることもあった。ただし、この絵の意味を一つの教訓に決める必要はない。ハルスが、人の顔と体の向きを組み合わせ、ふとした出会いのように見せた表現にも注目したい。
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この画家について本で読む
レンブラントとフェルメール オランダ絵画「光と影」の巨匠たち
岡部昌幸 著 / KADOKAWA
17世紀オランダ絵画を扱う本。第3部にフランス・ハルスの章があり、同時代の画家とあわせて知ることができます。
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