カレーの門(古きイングランドのローストビーフ)
画家 ウィリアム・ホガース →O the Roast Beef of Old England (‘The Gate of Calais’) / テート
大きな牛肉の塊を囲んで、人々の顔が動きます。外国を笑うこの絵は、観察の鋭い画家にも偏見があったことを、同時に見せています。
何が描かれているか
カレーの門の前で、男が牛肉を運び、兵士や修道士たちがその周りにいます。左端では素描するホガースの肩へ手が伸びています。1748年、カレーで疑いを掛けられ逮捕された自身の経験に関わる場面です。
作品の見どころ
痩せた兵士と太った修道士。その描き分けを、テートはフランスに向けた誇張と説明しています。豊かな牛肉をイングランドへ結びつける対比にも、作者の見せたい国の姿が表れています。観察の細かさと、他国への偏った見方が、一つの絵に同居しているのです。
制作背景
この作品は1748年の油彩で、翌年頃の版画とは異なります。社会の弱点を見抜くホガースの目は、ときに他国への固定観念も映しました。そのことを知ると、描写の巧みさを味わいながら、風刺に込められた見方にも目を向けられます。
出典・画像について
画像:William Hogarth《カレーの門(古きイングランドのローストビーフ)》/カレーの門(古きイングランドのローストビーフ) — William Hogarth / Wikimedia Commons / Public Domain Mark 1.0
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