大きな柱と垂れ幕の前に座るのは、貴族ではなく船長コーラムです。立派な肖像の形式を、子供たちのために活動した人へ与えています。
何が描かれているか
赤茶の上着を着たトマス・コーラム船長が椅子に座っています。手にするのは養育院の勅許状の印章。足元の地球儀や、机上の文書が、航海と社会活動に関わった彼の生涯を示しています。
作品の見どころ
柱と垂れ幕が威厳を添える一方、コーラム自身は自然な髪に実用的な服装です。赤みのある手や、椅子に置いた帽子にも、日々を働いてきた人の姿が感じられます。形式の整った肖像の中に、その飾らない身体が残っています。
制作背景
コーラムはロンドンの養育院設立を長く訴え、1739年に実現しました。ホガースはこの肖像を1740年に寄贈し、美術家が作品を寄贈する流れの出発点になりました。風刺を描く画家が、同じ都市の人を支える活動にも関わったことを示す作品です。
出典・画像について
画像:William Hogarth《トマス・コーラム船長の肖像》/トマス・コーラム船長の肖像 — William Hogarth / Wikimedia Commons / Public Domain Mark 1.0
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