放蕩一代記 第8場:ベスレム病院
画家 ウィリアム・ホガース →A Rake’s Progress 8: The Mad House / サー・ジョン・ソーンズ美術館
最後の舞台はベスレム病院です。トムを案じるサラと、患者を見物する着飾った人々。同じ人物を見る行為にも、大きな隔たりがあります。
何が描かれているか
薄い布を身につけたトムが前景に横たわり、そばにサラが寄り添っています。背後では別の患者たちが、それぞれの動作に没頭しています。奥に立つ二人の女性は、館の解説では病院への見物客です。
作品の見どころ
トムの身体と、奥の見物客の明るい服に、光が当たっています。そばで苦しむ人を支えるサラと、離れて眺める客。同じ人へ向けられた視線でも、そのあり方は大きく違います。絵を見ている私たちも、どちらに近い場所にいるのだろうと考えさせられます。
制作背景
『放蕩一代記』の油彩八場はここで終わります。病を道徳の失敗に結びつける当時の物語観を含んでいますが、それを現代の患者一般への説明にはできません。トムの結末と、彼を取り巻く社会の態度を合わせて読む必要があります。
出典・画像について
画像:William Hogarth《放蕩一代記 第8場:ベスレム病院》/放蕩一代記 第8場:ベスレム病院 — William Hogarth / Wikimedia Commons / Public Domain Mark 1.0
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