図案:1526年頃/出版:1538年
20代後半(図案制作時)

修道院しゅうどういん長(《死の舞踏》より)

画家 ハンス・ホルバイン(子) →
The Abbot, from The Dance of Death / メトロポリタン美術館
大きな衣をまとう修道院長のそばで、骸骨が帽子と杖を持つ。人物の地位を示す道具まで、死の場面に取り込まれている。

何が描かれているか

丸みのある顔と大きな衣の修道院長が、骸骨と並んでいる。骸骨の側には高い帽子があり、曲がった先端のある杖も見える。背景には木の幹と、遠くの風景が見える。
衣のひだは何本もの曲線で、骸骨の骨は細い輪郭りんかく線で描かれる。二人が近くに置かれるため、身体を包む布の量と、骨だけになった身体の違いが目につく。

作品の見どころ

帽子と杖だけを追うと、立場を示す道具が誰の側にあるかが分かる。顔の表情と持ち物が別々の情報を出しており、静かな肖像画とは違う、短い物語の読み方を促す。
同じ連作れんさくの《農夫》では、馬や畑が人物の仕事を示す。こちらでは聖職者の衣と道具が役割を伝える。二つを並べて見ると、骸骨が異なる暮らしの場面へ入り込む構成を比べられる。

制作背景

メトロポリタン美術館はこの作品も1526年頃の図案、1538年の出版として記録する。ホルバインが図案を作り、ハンス・リュッツェルブルガーが版木を彫った。紙の大きさは縦6.5cm、横4.9cmである。
《死の舞踏》全体を一枚の絵として載せたものではなく、連作の一場面である。ここでは農夫と修道院長を選び、同じ技法と小さな尺度の中で、人の立場に応じて場面がどう変わるかを見ていく。

作品情報

材質・技法
木版画はんが(図案:ホルバイン/版木の彫り:ハンス・リュッツェルブルガー)
所蔵
メトロポリタン美術館
目録番号
19.57.14
位置づけ
聖職者と骸骨を描いた《死の舞踏》の別場面。農夫の場面と、衣服や持ち物による役割の違いを比べられる。
紙の寸法
6.5 × 4.9 cm(高さ × 幅)
制作と出版
1526年頃は図案の制作、1538年は出版。

出典・画像について

出典:メトロポリタン美術館/修道院長(2026-10-07 確認)
画像:Hans Holbein the Younger《修道院長(《死の舞踏》より)》/修道院長(《死の舞踏》より) — Hans Holbein the Younger / The Metropolitan Museum of Art, Rogers Fund, 1919
画像の出典 / CC0 1.0(画像情報:2026-10-07 確認)
切り抜きなし。
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