何が描かれているか
左にフランス大使ジャン・ド・ダントヴィル、右に司教ジョルジュ・ド・セルヴが立つ。二人の間の二段の棚には、地球儀、天文器具、書物、リュート、笛などが並ぶ。
床の上には斜めに伸びた灰色の形があり、画面の横から見ると頭蓋骨に見える。左上の幕の陰には小さな十字架像も置かれ、豪華な正面像の中に死と信仰の印が隠れる。
作品の見どころ
豪華な道具の棚を読み進めた先で、歪んだ頭蓋骨が見る位置を変えさせる。知識、地位、死が同じ空間に並び、正面から見るだけでは作品の一部が読めない。
上段の天文器具と下段の地上の道具、二人の手、床の模様を順に見ると、画面が水平線で組まれている。そこへ頭蓋骨だけが強い斜線を通し、秩序を崩す。
制作背景
ナショナル・ギャラリーは1533年、オーク板の油彩として所蔵する。左の人物はフランス王フランソワ1世の使節としてイングランドに滞在したダントヴィル、右は友人ド・セルヴである。
制作時のヨーロッパは宗教と外交の緊張の中にあった。棚上の物を一つの暗号へ還元せず、二人の職務、学識、音楽、時間、信仰、死を重ねる多層の肖像として見る。