1523年
25〜26歳

エラスムスの肖像

画家 ハンス・ホルバイン(子)
Erasmus / ナショナル・ギャラリー(ロンドン、寄託)
赤い本と二つの言語の銘が、人物の仕事を顔と同じくらい語る。肖像が知識と評判を運ぶ道具になっている。

何が描かれているか

人文主義者デジデリウス・エラスムスが、黒い帽子と毛皮の衣を着て斜めを向く。両手は赤い革表紙の本に置かれ、ほどかれた緑のひもが垂れる。
背後には緑の幕、古典建築風の柱、本、容器が並ぶ。本の小口と棚の本にはラテン語とギリシャ語の銘があり、人物と画家の名声をたたえる。

作品の見どころ

赤い本と二つの言語の銘が、人物の仕事を顔と同じくらい語る。肖像が知識と評判を運ぶ道具になり、手を本へ置く小さな動きが学者の活動を見せる。
黒い帽子と毛皮は頭を囲み、左からの光が額、頬、手へ移る。疲れを感じさせる目元と固い輪郭りんかくを一緒に見ると、理想化だけではない人物像になる。

制作背景

ナショナル・ギャラリーは1523年、木の板に油彩ゆさいとして記録する。バーゼルで描かれ、翌年エラスムスからカンタベリー大主教ウィリアム・ウォラムへ贈られた。
エラスムスは1526年にイングランドへ向かうホルバインへ推薦状を与えた。肖像は贈り物として人物の姿を運ぶだけでなく、画家の技量を外国の有力者へ知らせる役割も果たした。

作品情報

材質・技法
油彩、板
所蔵
ナショナル・ギャラリー(ロンドン、寄託)
位置づけ
学者を本、古典建築風の柱、ラテン語とギリシャ語の銘で囲む。容貌だけでなく知的な仕事を示す肖像である。

出典・画像について

画像:Hans Holbein the Youngerエラスムスの肖像》/エラスムスの肖像 — Hans Holbein the Younger / Wikimedia Commons / National Gallery, London
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-09-22 確認)
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