1537年頃
39〜40歳前後

ヘンリー8世の肖像(マドリードの板絵)

画家 ハンス・ホルバイン(子) →
Portrait of Henry VIII of England / ティッセン=ボルネミッサ美術館
小さな板絵でも、広い肩と正面に近い顔が画面を満たす。王の大きさを実際の寸法で表すのではなく、身体と手の配置で感じさせる肖像である。

何が描かれているか

イングランド王ヘンリー8世が、装飾の多い衣と帽子を身につけ、正面に近い向きで姿を見せる。背景は青く、広がった肩の下に両手が置かれる。服の切れ込み、宝石、金の模様が細かく描かれている。
顔は画面の上方へ収まり、両手は下方に広く離れる。顔だけを眺めるより、肩の幅と手の位置も一緒に見ると、身体が画面を占める強さが分かる。

作品の見どころ

青い背景には物がほとんどなく、服の細かな装飾が目につく。遠くからは肩と胸の大きな形を、近くからは衣や宝石の線を読むという、二つの見方ができる。
所蔵館が記録する寸法は縦28cm、横20cm。等身大の肖像ではない。小さな画面を隙間なく満たす配置が、描かれた人物を大きく感じさせる点を見たい。

制作背景

ティッセン=ボルネミッサ美術館は1537年頃、板に油彩ゆさいとして所蔵する。館の解説は、王の顔や衣を、ホルバインがホワイトホール宮殿のために描いた壁画と関連づけている。
その宮殿壁画自体は1698年に失われた。ここに載せるのはマドリードに残る小型の板絵で、失われた壁画の全体図でも、後世の全身像の複製ふくせいでもない。よく知られた王の図像を、作品の形式と所蔵先を区別して紹介する。

作品情報

材質・技法
油彩、板
所蔵
ティッセン=ボルネミッサ美術館
目録番号
191(1934.39)
位置づけ
正面に近い顔、広い肩、両手から王の姿を組み立てた小型の板絵。失われた宮殿壁画の複製とは区別する。
寸法
28 × 20 cm(高さ × 幅)

出典・画像について

画像:Hans Holbein the Younger《ヘンリー8世の肖像(マドリードの板絵)》/ヘンリー8世の肖像(マドリードの板絵) — Hans Holbein the Younger / Museo Nacional Thyssen-Bornemisza / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0(画像情報:2026-10-07 確認)
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