同じような雨具の二人が、別々の方向を見ています。一人は器具を目へ、もう一人は手元へ。海で生きる人を、力だけでなく、見て確かめる仕事から捉えた絵です。
何が描かれているか
二人の船員は、似た帽子と雨具を身に着けています。左の人物は航海用の器具を目へ持ち上げ、右の人物は手元の器具を見下ろしています。ボウディン大学美術館は、この遠くを見る視線と近くへ向ける視線の違いに注目しています。よく似た二人だからこそ、小さな動作の差がはっきり伝わります。
作品の見どころ
暗い服の二人は、明るい空と白波を背に、ひとかたまりの形をつくっています。左の身体は少し反り、右の身体は前へかがむため、その塊にも動きがあります。海は背後まで押し寄せるようですが、船員の目と手は器具へ向かっています。天候の激しさと、仕事に必要な落ち着きが隣り合う画面です。
制作背景
1886年の油彩画で、所蔵するのはアディソン美術館です。同じ題名の版画もありますが、ここでは絵具で描いた作品を掲載しています。《霧の警告》の一人の漁師と見比べると、ホーマーが海の危険とともに、そこを渡る人々の技術や注意深い観察も見つめていたことが感じられます。
作品情報
所蔵
アディソン・ギャラリー・オブ・アメリカン・アート(アンドーヴァー)
出典・画像について
画像:ウィンスロー・ホーマー《八点鐘》/八点鐘 — ウィンスロー・ホーマー / アディソン・ギャラリー・オブ・アメリカン・アート(アンドーヴァー) / Wikimedia Commons, Public Domain Mark 1.0
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