1893年
56〜57歳頃

キツネ狩り

画家 ウィンスロー・ホーマー →
Fox Hunt / ペンシルヴェニア美術アカデミー(フィラデルフィア)
「狩り」の絵なのに、追われているのはキツネです。雪に脚を取られる身体の上へ、空腹のカラスが迫ります。低い視点が、いつもなら狩る側の動物を、こちらに近い存在へ変えています。

何が描かれているか

赤褐色かっしょくのキツネが深い雪を跳び越えようとしています。その上へ迫るのは、翼を大きく開いたカラスです。所蔵館は、厳しい冬に飢えた鳥が、逃げるキツネを襲う場面と説明しています。ふだん獲物を追う動物が、ここでは追い詰められる側に回っているのです。

作品の見どころ

こちらの目は、雪面に近い高さにあります。キツネの背や尻尾をすぐそばで見られる一方、カラスは上から覆いかぶさるようです。大きな白い面の中で、動物の赤と黒が鋭くぶつかります。所蔵館は、この低い視点が緊張と共感を強め、平たく整理した構図こうずには日本の木版画はんがの研究が関わると解説しています。

制作背景

晩年の狩猟や自然の絵には、ダーウィンの自然選択説との関わりを読む批評もあると、館は紹介しています。ただし、これを画家自身の一つの答えと決める必要はありません。人間のいない画面で、誰が強く誰が弱いかが状況によって変わる。その逆転を、冬の雪と鳥の大きさから実感できる作品です。

作品情報

材質・技法
油彩ゆさい、カンヴァス
所蔵
ペンシルヴェニア美術アカデミー(フィラデルフィア)
目録番号
1894.4

出典・画像について

画像:ウィンスロー・ホーマー《キツネ狩り》/キツネ狩り — ウィンスロー・ホーマー / ペンシルヴェニア美術アカデミー(フィラデルフィア) / Wikimedia Commons, Public Domain Mark 1.0
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0 / Commonsの複製画像の説明(画像情報:2026-10-16 確認)
全景を比例縮小しています。
間違いを見つけたら、教えてください →

実物を見に行く

まずは国内の美術館から。公式の展示情報を見ながら、行きたい場所を探せます。
国内の美術館を探す →
展示替え・貸出などで作品が展示されていない場合があります。訪問前に展示・開館日・入館方法をご確認ください。