「狩り」の絵なのに、追われているのはキツネです。雪に脚を取られる身体の上へ、空腹のカラスが迫ります。低い視点が、いつもなら狩る側の動物を、こちらに近い存在へ変えています。
何が描かれているか
赤褐色のキツネが深い雪を跳び越えようとしています。その上へ迫るのは、翼を大きく開いたカラスです。所蔵館は、厳しい冬に飢えた鳥が、逃げるキツネを襲う場面と説明しています。ふだん獲物を追う動物が、ここでは追い詰められる側に回っているのです。
作品の見どころ
こちらの目は、雪面に近い高さにあります。キツネの背や尻尾をすぐそばで見られる一方、カラスは上から覆いかぶさるようです。大きな白い面の中で、動物の赤と黒が鋭くぶつかります。所蔵館は、この低い視点が緊張と共感を強め、平たく整理した構図には日本の木版画の研究が関わると解説しています。
制作背景
晩年の狩猟や自然の絵には、ダーウィンの自然選択説との関わりを読む批評もあると、館は紹介しています。ただし、これを画家自身の一つの答えと決める必要はありません。人間のいない画面で、誰が強く誰が弱いかが状況によって変わる。その逆転を、冬の雪と鳥の大きさから実感できる作品です。
作品情報
所蔵
ペンシルヴェニア美術アカデミー(フィラデルフィア)
出典・画像について
画像:ウィンスロー・ホーマー《キツネ狩り》/キツネ狩り — ウィンスロー・ホーマー / ペンシルヴェニア美術アカデミー(フィラデルフィア) / Wikimedia Commons, Public Domain Mark 1.0
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