サメと竜巻だけでなく、舟の中のサトウキビにも意味があります。荒れる海で一人の男を描いた絵に、カリブ海の交易と奴隷制の歴史が重ねて読まれています。
何が描かれているか
壊れた小舟の男の足元に、節のあるサトウキビが転がっています。危険な海に目を奪われますが、この積み荷も見逃せません。メトロポリタン美術館は、カリブ海の砂糖交易と奴隷制の歴史を、題名の海流やサトウキビに結び付けて解説しています。
作品の見どころ
手前のサメの口は大きく開き、舟の右奥には海上の竜巻が伸びています。一方、左の水平線には小さな帆船もあります。危険と助けの可能性を遠近で離して置くため、見る側の目は舟の男から周囲へ何度も動きます。彼が何を考え、その後どうなるのかは、画面から決められません。
制作背景
油彩画は1899年に描かれ、1906年までに手が加えられました。海流はカリブ海からアメリカ東岸、さらに大西洋へとつながります。嵐の中の一場面であると同時に、人や商品が行き交ってきた海の歴史を考える入口にもなる作品です。
出典・画像について
画像:ウィンスロー・ホーマー《メキシコ湾流》/メキシコ湾流 — ウィンスロー・ホーマー / The Metropolitan Museum of Art; Catharine Lorillard Wolfe Collection, Wolfe Fund, 1906, 06.1234
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