今は波と岩だけの絵ですが、最初に展示されたときには二人の人物がいました。ホーマーは後にその姿を消し、砕ける波のしぶきをさらに大きくしています。
何が描かれているか
左下の岩には、もともと身をかがめる二人の人物がいました。1895年の初出時には見えていた姿を、ホーマーは後に消しています。所蔵館によると、そのとき砕ける波のしぶきも強められました。今の画面に人がいないこと自体が、描き直した結果なのです。
作品の見どころ
手前の岩は暗く、角ばった形で横たわります。その向こうで白いしぶきが立ち上がり、青緑の波が斜めに押し寄せています。岩の重さと水の崩れる動きがぶつかり、同じ場所へ繰り返し波が来る感覚を生みます。灰色の空が広がる上方と、絵具が密集する海面の差も見どころです。
制作背景
舞台はメイン州プラウツ・ネックの冬の嵐です。人物を探していた目を波へ移すと、何かが起こる前後より、自然の力そのものへ引き寄せられます。人を描かないことで何が変わるのか。描き直しを知ってから眺めると、画面の大きさまで違って感じられる作品です。
出典・画像について
画像:ウィンスロー・ホーマー《北東の嵐》/北東の嵐 — ウィンスロー・ホーマー / The Metropolitan Museum of Art; Gift of George A. Hearn, 1910, 10.64.5
全景を比例縮小しています。
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