戦場で見たままを即座に描いた絵ではなく、終戦後のニューヨークで仕上げられた作品です。向かい合う姿勢と荒れた土地が、戦争の隔たりを伝えます。
何が描かれているか
右に立つ北軍将校と、左に並ぶ南軍の捕虜たちが、狭い空間を挟んで向かい合います。まっすぐな姿勢の若者、頭を下げる白髭の老人、身を傾ける男。服装と立ち方の違いによって、捕虜たちは同じ表情の一団になっていません。
作品の見どころ
背景の木は幹の途中で断たれ、地面には草や枝がまばらに残ります。大きな戦闘場面がなくても、壊れた風景が人々の間へ続いています。人物の垂直な姿と切り株を見比べると、会話のない対面にも、戦争が残した緊張が感じられます。
制作背景
きっかけは、友人の北軍将校フランシス・チャニング・バーローによる1864年の捕虜の捕獲でした。ホーマーは従軍画家として前線を訪れていますが、この油彩画を完成させたのは終戦後の1866年、ニューヨークです。現場の記憶を組み立て直した絵として見ると、一人ずつ異なる姿勢にも重みが出てきます。
出典・画像について
画像:ウィンスロー・ホーマー《前線からの捕虜》/前線からの捕虜 — ウィンスロー・ホーマー / The Metropolitan Museum of Art; Gift of Mrs. Frank B. Porter, 1922, 22.207
全景を比例縮小しています。
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