宙に浮いた二羽のカモ。その向こうに、小さな舟と銃の煙が隠れています。題名は左右の位置だけでなく、二連銃で続けて鳥を撃つことを指し、空中の姿に別の意味を与えます。
何が描かれているか
二羽のカモは目の前に大きく、狩人は奥にごく小さく描かれています。左の鳥の脚の向こうに、舟と銃の煙を探してみてください。題名の「右と左」は、二連銃で二羽を続けて撃つことを指します。何気ない飛翔にも見えた姿が、撃たれた瞬間の動きとして見え直してきます。
作品の見どころ
左の鳥は翼を横へ広げ、右の鳥は頭を下へ向けています。黒い頭と白い胴、灰色の翼が、違う向きへ開いて画面を支えています。背景の空と海も灰色が中心なので、激しい出来事が静かに止まったようです。小さな舟より鳥へ近い視点に置かれた私たちは、狩る側から少し離れて、その一瞬を見ています。
制作背景
制作は1909年、ホーマーが亡くなる前年です。NGAは、こちらへ向けられた銃口にも触れ、この晩年の絵に死をめぐる主題を読み取っています。戦争画の《狙撃兵》では銃の先にいる相手が見えませんでした。ここでは鳥が目の前に迫り、画業の初めと終わりを、見る位置の違いから結び付けられます。
作品情報
所蔵
ナショナル・ギャラリー・オブ・アート(ワシントン)
出典・画像について
画像:ウィンスロー・ホーマー《右と左》/右と左 — ウィンスロー・ホーマー / Courtesy National Gallery of Art, Washington; Gift of the Avalon Foundation, 1951.8.1
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