麦を刈る男が帰還兵だと分かる手がかりは、足元に置かれた軍服と水筒です。豊かな実りの中へ、終わったばかりの戦争の記憶が入り込んでいます。
何が描かれているか
麦畑で働く男の右下に、脱ぎ捨てられた軍服と水筒があります。戦場を描かずに、戦争から戻った人だと伝える小さな手がかりです。題名の「新しい畑」には、それまで彼がいた戦場との対比も重なります。
作品の見どころ
男の顔は見えず、こちらへ大きく開いた鎌の刃と、肩から腕へ続く動きが目に入ります。刈り取られた麦が手前に倒れ、まだ立つ麦との境目に、仕事の進み具合が残っています。一人の身体と広い畑を並べることで、働く動作そのものに目が向きます。
制作背景
制作された1865年は、南北戦争が終わり、リンカンが暗殺された年です。メトロポリタン美術館は、豊かな収穫に再生を、一本刃の鎌に死神の連想を読み取っています。同じ鎌が生活を取り戻す道具にも死を思わせる形にもなり、明るい景色に悲しみが重なります。
出典・画像について
画像:ウィンスロー・ホーマー《新しい畑の帰還兵》/新しい畑の帰還兵 — ウィンスロー・ホーマー / The Metropolitan Museum of Art; Bequest of Miss Adelaide Milton de Groot (1876-1967), 1967, 67.187.131
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