何が描かれているか
赤い服と黒い帽子を身につけた女性が、窓のそばのテーブルに向かって座る。顔は横を向き、両手は卓上に置かれている。窓枠や壁の模様も細かな線で描かれる。
衣服の赤い色は濃淡を残し、机や壁には紙の明るい部分が見える。顔の輪郭、手、窓の縁を追うと、色の面と細い線が重なって画面を作っていることが分かる。
作品の見どころ
顔から手へ、そこから窓へ目を移してみたい。人物だけを見せる肖像とは違い、机や窓の位置が、その人が室内のどこに座っているかを伝えている。
赤い衣服の細かな筆跡と、壁の繰り返す模様も比べたい。広い面を厚く塗る油彩とは異なり、淡い色と線、紙の白さの間を行き来しながら見ることができる。
制作背景
国立美術館の現在の所蔵記録は1923〜1925年とする。館の研究案内には1925年、水彩と鉛筆、紙と記載されているため、制作年は現在の範囲を残し、材質は研究案内と照合した。
作品の大きさは縦25.8cm、横35.1cmである。レーピンが80歳前後まで紙の作品も手がけていたことを見られる一枚として加えた。女性の身元や、このときの会話は資料で確認できないため書き足していない。