1919年
74〜75歳頃

筆を執る医師

画家 イリヤ・レーピン →
Writing Doctor / フィンランド国立美術館/アテネウム美術館
暗い室内で、医師が机へ向かいながら顔をこちらへ向ける。明るい顔と袖そで、暗い背景を見比べると、仕事の最中にいる姿が浮かび上がる。

何が描かれているか

ひげのある男性が机に向かい、手に筆記具を持っている。身体は机の方を向き、顔は斜めにこちらへ向けられている。画面全体は暗く、顔と袖に明るい色が置かれる。
背後には暗い壁が広がり、手前には赤い色の面がある。細かな物をすべて均等に描くのではなく、顔、手、袖の明暗によって人物の姿が見えてくる。

作品の見どころ

まず明るい顔から、筆記具を持つ手へ視線を下ろしてみたい。顔だけを眺めると肖像として見えるが、手を一緒に見ることで、机に向かっている作業中の姿が分かる。
身体の向きと顔の向きの違いにも注目したい。見る側へ身体ごと正面を向ける肖像とは違い、机へ向かう姿勢の中で顔がこちらに現れている。

制作背景

フィンランド国立美術館は1919年、アテネウム美術館のヴァイノ・ヴァッリ・コレクションの作品として記録する。レーピンは1844年生まれなので、70代半ばの仕事にあたる。
作品記録の題名は医師が書く場面とするが、ここでは人物の個人名を確定して紹介しない。若い頃の大きな群像と見比べると、一人の顔と手へ画面を絞った晩年の人物画を見られる。

作品情報

材質・技法
油彩ゆさい、カンヴァス
所蔵
フィンランド国立美術館/アテネウム美術館
目録番号
A-1995-74
位置づけ
晩年の、作業中の人物を描いた油彩画。

出典・画像について

画像:Ilya Repin《筆を執る医師》/筆を執る医師 — Ilya Repin / Finnish National Gallery / Hannu Aaltonen
画像の出典 / CC0 1.0(画像情報:2026-10-08 確認)
国立美術館が対象画像をCC0で公開。全景を保持し、一覧用画像は等比縮小。
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