オーソンヴィル伯爵夫人
画家 アングル →Comtesse d’Haussonville / フリック・コレクション
青いドレスの女性が室内に立ち、片手を頬に添えてこちらを見る。モデルはオーソンヴィル伯爵夫人ルイーズ・ド・ブロイ。
何が描かれているか
青いドレスの女性が室内に立ち、片手を頬に添えてこちらを見る。モデルはオーソンヴィル伯爵夫人ルイーズ・ド・ブロイ。後ろの鏡には体の後ろ姿や部屋の一部が映り、一人の人物を二つの方向から見ることができる。肖像画でありながら、鏡の中の空間まで考えて作られた画面である。衣装と仕草の細部が、人物に静かな個性を与える。
作品の見どころ
青い布の滑らかな光沢がまず目に入る。袖のふくらみ、腰の細さ、頬に触れる指を順に追うと、衣装の形が人物の姿勢を作っていると分かる。鏡の中の後ろ姿は、正面の顔と同じ人なのに別の輪郭を見せる。画面の右側に人物を置き、鏡と室内を左に広げることで、動かない姿に奥行きと変化を生んでいる。
制作背景
フリック・コレクションは1845年の作品として紹介する。アングルは完成までに多くの下絵を描き、顔や手、衣装の位置を検討した。鏡を描くことは、現実の部屋をそのまま写すだけではなく、正面と背面を一枚に収める工夫でもある。政治や歴史を題材にした大作とは別に、肖像でも形を組み立てる研究が続いていた。
出典・画像について
画像:Jean-Auguste-Dominique Ingres《オーソンヴィル伯爵夫人》/Wikimedia Commons / Public Domain Mark
CommonsのPublic Domain Mark / PD-Art表示に基づく忠実な複製。複製写真と所蔵館規程は法域で扱いが異なる可能性があります。
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