1823年
42〜43歳頃

ジャック=ルイ・ルブラン夫人の肖像

画家 アングル →
Madame Jacques-Louis Leblanc (Françoise Poncelle, 1788–1839) / メトロポリタン美術館(ニューヨーク)
黒い服、白い肌、色鮮やかな布。顔の表情だけでなく、腕と手の置き方が肖像の形を作っている。

何が描かれているか

黒いドレスを着た女性が椅子に座り、こちらを見ている。一方の腕は背もたれに置かれ、もう一方の手は画面の右下へ伸びる。暗い服の中で、顔と手の明るさが目を引く。
胸元には長い金色の鎖が掛かり、左下には赤や黄、白の模様が入った布が広がる。右側には小さな丸い卓が見える。人物の輪郭りんかくだけでなく、周囲の布や家具も、座った姿の広がりを支えている。

作品の見どころ

顔から肩、腕、指先へと順にたどってみたい。腕の曲がり方によって、体の周囲に余白ができている。顔の表情を読む前に、手と腕が作る大きな形を見ると、人物の姿勢をつかみやすい。
黒い衣服にも、ひだや光の違いがある。明るい肌と暗い服、鮮やかな布を比べると、同じ画面の中で材質が描き分けられていることが分かる。鉛筆の肖像とは違う、色と表面の働きを楽しみたい。

制作背景

アングルは1820年、ローマから移ったフィレンツェでルブラン夫妻と知り合った。この1823年の油彩ゆさいは、夫ジャック=ルイの肖像と対になる作品である。
のちに画家ドガが、1896年に夫妻の肖像を購入した。単独で見る時も、隣に夫の肖像があったことを思い浮かべると、一人を描く絵の外側にある関係へ目が向く。

作品情報

材質・技法
油彩・カンヴァス
所蔵
メトロポリタン美術館(ニューヨーク)
目録番号
19.77.2
位置づけ
鉛筆の肖像と比べたいフィレンツェ時代の油彩

出典・画像について

画像:Jean-Auguste-Dominique Ingres《ジャック=ルイ・ルブラン夫人の肖像》/ジャック=ルイ・ルブラン夫人の肖像 — Jean-Auguste-Dominique Ingres / The Metropolitan Museum of Art
画像の出典 / CC0 1.0(画像情報:2026-10-08 確認)
所蔵館の全景画像。一覧は等比縮小。
間違いを見つけたら、教えてください →

実物を見に行く

まずは国内の美術館から。公式の展示情報を見ながら、行きたい場所を探せます。
国内の美術館を探す →
展示替え・貸出などで作品が展示されていない場合があります。訪問前に展示・開館日・入館方法をご確認ください。