1851年
71歳頃

モワテシエ夫人(立像)

画家 アングル →
Madame Moitessier / ナショナル・ギャラリー・オブ・アート(ワシントン)
黒いドレスのモワテシエ夫人が扇を手にして立つ。赤い壁を背景に体を少し傾かしけ、こちらを見る。大きな袖そでと細い腰、腕に。

何が描かれているか

黒いドレスのモワテシエ夫人が扇を手にして立つ。赤い壁を背景に体を少し傾け、こちらを見る。大きな袖と細い腰、腕につけた飾りが、衣装の輪郭りんかくを強く見せる。室内の家具や小物は限られ、人物が画面のほとんどを占める。近づいて見ると布地の飾りや宝飾品に気づき、離れて見ると黒と赤の大きな色の組み合わせが残る。

作品の見どころ

頭から肩、腰へ下りる線と、扇を持つ手の角度が、まっすぐ立つ姿に変化を与える。黒い衣装は一色に見えても、光を受ける部分と影で細かく変わる。赤い背景は人物の肌や白い飾りを明るく見せる。手に持つ扇と腕輪は身分や装いを伝えるが、顔の表情は控えめで、見る人に感情をはっきり説明しない。

制作背景

ワシントンのナショナル・ギャラリー・オブ・アートは1851年の作品と記録する。アングルは同じ人物を後に座像でも描いた。この立像と座像は別の絵なので、制作年や構図こうずを混同しないようにしたい。長い時間をかけて一人の人物の姿を変えて描くことは、肖像画を単なる記録ではなく、形を探る仕事として扱っていたことを示す。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
ナショナル・ギャラリー・オブ・アート(ワシントン)(1946.7.18)

出典・画像について

画像:Jean-Auguste-Dominique Ingres《モワテシエ夫人(立像)》/National Gallery of Art / CC0
画像の出典 / CC0 1.0(画像情報:2026-09-26 確認)
提供元のCC0 / Open Access表示に基づき掲載。
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