モワテシエ夫人(立像)
画家 アングル →Madame Moitessier / ナショナル・ギャラリー・オブ・アート(ワシントン)
黒いドレスのモワテシエ夫人が扇を手にして立つ。赤い壁を背景に体を少し傾け、こちらを見る。大きな袖と細い腰、腕に。
何が描かれているか
黒いドレスのモワテシエ夫人が扇を手にして立つ。赤い壁を背景に体を少し傾け、こちらを見る。大きな袖と細い腰、腕につけた飾りが、衣装の輪郭を強く見せる。室内の家具や小物は限られ、人物が画面のほとんどを占める。近づいて見ると布地の飾りや宝飾品に気づき、離れて見ると黒と赤の大きな色の組み合わせが残る。
作品の見どころ
頭から肩、腰へ下りる線と、扇を持つ手の角度が、まっすぐ立つ姿に変化を与える。黒い衣装は一色に見えても、光を受ける部分と影で細かく変わる。赤い背景は人物の肌や白い飾りを明るく見せる。手に持つ扇と腕輪は身分や装いを伝えるが、顔の表情は控えめで、見る人に感情をはっきり説明しない。
制作背景
ワシントンのナショナル・ギャラリー・オブ・アートは1851年の作品と記録する。アングルは同じ人物を後に座像でも描いた。この立像と座像は別の絵なので、制作年や構図を混同しないようにしたい。長い時間をかけて一人の人物の姿を変えて描くことは、肖像画を単なる記録ではなく、形を探る仕事として扱っていたことを示す。
作品情報
所蔵
ナショナル・ギャラリー・オブ・アート(ワシントン)(1946.7.18)
出典・画像について
画像:Jean-Auguste-Dominique Ingres《モワテシエ夫人(立像)》/National Gallery of Art / CC0
提供元のCC0 / Open Access表示に基づき掲載。
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